大学ラグビー:メンバー編成の妙から考える帝京大学の8連覇
全国大学ラグビー選手権は、帝京大学の前人未到の8連覇達成で幕を閉じました。
東海大学との決勝は近年稀に見ぬクオリティーの激戦でした。
帝京大学の8連覇に関しては、その偉業を的確に伝える言葉が浮かばないほどです。
近年の日本ラグビー界の選手のスキルレベル、ラグビーそのものの強度の向上はもちろん、毎年のように選手が入れ替わる大学ラグビー界での「8」という数字は、まさにアンタッチャブル・レコードと言えるでしょう。
帝京大学のその圧倒的な強さに関しては、各所で様々なレビューがなされています。
・花園で活躍した選手から無印の選手まで、その能力を最大限に引き出す指導
・献身性を軸としたクラブ文化
・最先端の科学的トレーニングや健康管理
などが語られていますが、今回は、岩出監督のメンバー編成を調べてみました。
この8年間の大学選手権・決勝の先発メンバー15人を学年毎に整理してみます。
4年:6人、3年:4人、2年:5人、1年:0人
▼スタメン
吉田康平(2)
森太志(3)
伊東秀剛(4)
中田晃司(4)
ティモシー・ボンド(2)
ヘンドリック・ツイ(3)
吉田光治郎(3)
野口真寛(4)
滑川剛人(2)
森田佳寿(2)
野田創(4)
南橋直哉(2)
河合航(4)
富永浩史(3)
船津光(4)
4年:8人、3年:6人、2年:0人、1年:1人
▼スタメン
吉田康平(3)
森太志(4)
西村尚紀(3)
菅原貴広(4)
ティモシー・ボンド(3)
ヘンドリック・ツイ(4)
吉田光治郎(4)
柴田一昂(4)
滑川剛人(3)
森田佳寿(3)
富永浩史(4)
南橋直哉(3)
黒川勝平(4)
鬼海雄次(4)
竹田宜純(1)
4年:8人、3年:3人、2年:4人、1年:0人
▼スタメン
吉田 康平(4)
白 隆尚(4)
前田 龍佑(4)
ティモシー・ ボンド(4)
ジョシュア・ マニング(3)
大和田 立(2)
松永 浩平(3)
李 聖彰(2)
滑川 剛人(4)
森田 佳寿(4)
菅谷 優(3)
南橋 直哉(4)
中村 亮土(2)
伊藤 拓巳(4)
竹田 宜純(2)
4年:6人、3年:3人、2年:5人、1年:1人
▼スタメン
森川 由起乙(2)
泉 敬(4)
出渕 賢史(4)
小瀧 尚弘(2)
ジョシュア・ マニング(4)
マルジーン・イラウア(1)
松永 浩平(4)
李 聖彰(3)
流 大(2)
中村 亮土(3)
磯田 泰成(2)
荒井 基植(4)
権 裕人(2)
小野 寛智(4)
竹田 宜純(3)
4年:4人、3年:6人、2年:4人、1年:1人
▼スタメン
森川 由起乙(3)
坂手 淳史(2)
深村 亮太(2)
小瀧 尚弘(3)
町野 泰司(3)
マルジーン・イラウア(2)
杉永 亮太(3)
李 聖彰(4)
流 大(3)
松田 力也(1)
磯田 泰成(3)
中村 亮土(4)
牧田 旦(4)
森谷 圭介(2)
竹田 宜純(4)
4年:8人、3年:4人、2年:2人、1年:1人
▼スタメン
森川 由起乙(4)
坂手 淳史(3)
東恩納 寛太(4)
金 嶺志(2)
小瀧 尚弘(4)
マルジーン・イラウア(3)
杉永 亮太(4)
河口 駿(4)
流 大(4)
松田 力也(2)
磯田 泰成(4)
金田 瑛司(3)
権 裕人(4)
尾崎 晟也(1)
森谷 圭介(3)
4年:5人、3年:4人、2年:3人、1年:3人
▼スタメン
徳永 一斗(4)
堀越 康介(2)
深村 亮太(4)
飯野 晃司(3)
金 嶺志(3)
マルジーン・イラウア(4)
亀井 亮依(3)
ブロディ マクカラン(1)
小畑 健太郎(1)
松田 力也(3)
竹山 晃暉(1)
濱野 大輔(4)
石垣 航平(4)
尾崎 晟也(2)
矢富 洋則(2)
4年:6人、3年:6人、2年:3人、1年:0人
▼スタメン
西 和磨(3)
堀越 康介(3)
垣本 竜哉(3)
金 嶺志(4)
姫野 和樹(4)
飯野 晃司(4)
亀井 亮依(4)
ブロディ マクカラン(2)
小畑 健太郎(2)
松田 力也(4)
竹山 晃暉(2)
金村 良祐(4)
矢富 洋則(3)
吉田 杏(3)
尾崎 晟也(3)
懐かしい・・・というよりまだ現役の選手がほとんどですが、
このままオールスターチームが組めそうなくらい、今まさに一線級の選手たちが帝京OBであることがわかりますね。
10連覇したら、帝京OBチームVSトップリーグ選抜で試合してみてほしい。
改めて振り返ると、帝京大学は毎年各学年がバランス良く配合されたメンバー構成になっていることがわかります。
中央値で計算してみると、
4年(6人)+3年(4人)+2年(4人)+1年(1人)
となりました。
他の大学でも下級生をたくさん起用するようなケースはよくあることですが、帝京大学は大学選手権の決勝で編成し、さらに8年連続で勝ち続けているのですから、ただ下級生を積極的に起用するようなレベルではありません。
ジャパンのHCだった時のエディー・ジョーンズは、就任直後からテストマッチのメンバーの総キャップ数の重要性について説いていました。
それまで、日本代表はテストマッチの数そのものが少なく、あまり重要視されていないようなポイントでしたが、テストマッチのようなビッグゲームを勝ち切るためには、それだけ“経験値”というものは重要だということですね。
つまり、帝京大学は勝ちながら経験値をしっかりと次代に受け継いでいる。むしろ、大一番やビッグゲームの経験値が引き継がれているからこそ勝ち続けられるのでしょう。
大学生は公式戦の数自体が少ないので、本当の意味で強度の高い試合、プレッシャーのかかる試合を経験することは難しいですからね。
まさに、岩出監督の編成の妙といえると思います。
来季以降も帝京大学のメンバー編成には注目していきたいと思います。
最後に、8連覇中のベスト15を勝手に選んでみた。
▼帝京大学 個人的最強メンバー(2009年度~2016年度)
吉田 康平(トヨタ自動車)
堀越 康介(3年)
東恩納 寛太(キャノン/サンウルブズ)
飯野 晃司(4年)
松永 浩平(中国電力)
吉田光治郎(トヨタ自動車)
ブロディ マクカラン(2年)
流 大(サントリー)
松田 力也(4年)
竹山 晃暉(2年)
森谷 圭介(パナソニック)
南橋 直哉(神戸製鋼)
磯田 泰成(九州電力)
竹田 宜純(トヨタ自動車)
終わり。
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